最近はある科学系Youtuberの動画撮影をお手伝いするようになりました。そのYoutuberは何とあの東京大学の学生です。
一昔前は考えられませんでしたが、最近はYoutubeとかを上手く使うことで収益が上がりやすくなったり、宣伝が出来るようになっています。時代の流れを感じますね。
動画を作る時に、そのYoutuber(さるふぁさん)と一緒に考えて電子レンジでプラズマを発生させよう、というアイデアを思いつきました。そこで、実際に彼にプラズマを発生させるための管を作ってもらい、電子レンジを使ってプラズマを発生させてみました。詳しくは下の動画をご覧ください。
何というか、動画を作るのは結構楽しいのですが、自分が出演しようとは思いません^^;動画に出れるって凄いというか、最近の若い人たちはあまり抵抗がないのでしょうね。私がネットを始めた頃は2ちゃんねるが全盛期で、ネット上で実名をさらすなどもってのほかという意識がいまだにあります。。。
マイクロ波プラズマについて
それはともかく、プラズマが発生する原理については動画内で説明がなされていますが、条件さえわかればプラズマは割と簡単に作れます。
何となく、マイクロ波(周波数は2.45GHz)で加速される自由電子の速度とか平均自由工程とかをイメージしながら、気体の圧力はこんなもんかな?って感じで作っています。めんどいんで計算はしてませんが、各パラメーターのマージンは結構広そうです。

放電によるプラズマ形成のしやすさはパッシェンの法則に従い、真空度と電極間距離、ガス種などのパラメーターに依存することが分かっています。
しかし、今回のマイクロ波プラズマのように、実は電極が無くてもプラズマは作れます。電磁波は振動する電場なので、この電場の振動により自由電子も振動します。この加速された電子が周囲の気体分子を電離するのに十分なエネルギーを持つと気体が分子がイオン化してプラズマとなります。なので、マイクロ波プラズマは無電極ランプとして使用されています。
電子レンジを使ったプラズマの作り方
では、実際にこのプラズマをどうやって作るか解説いたします。
動画内の管はパイレックスのガラス製で、内部にある気体はただの空気です。管はモノタロウとかで売っています。ソーダライムだと熱膨張率が高いために加熱後の冷却の段階で割れやすいです。今回は試していませんが、管内の空気をヘリウムとかアルゴンとかで置換すると色の変わったプラズマが得られます。
最初に、このガラス管をガスバーナーで熱し、片側を融解させて穴をふさぎます。その後、もう片側を真空ポンプに接続させて真空引きをしながらガスバーナーで封じ切りします。すると、内部が真空のガラス管が出来上がります。これを電子レンジに入れればOK、かもしれませんが、今回は自由電子の供給源として管内に少量の金属を入れています。この自由電子源があるとプラズマは発生しやすいです。
プラズマ発生時には管の温度はかなり高くなります。プラズマ発生から10秒ほどでパイレックスが熔けて柔くなるので、確実に1000℃はいっています。2000℃くらいいっているかもしれません。
昔オーストラリアの大学で働いている頃に、マイクロ波プラズマが欲しいけどお金が無い、という話で買ってきた電子レンジの横に穴を開けて、その穴に真空に引いた試験管を突っ込んでプラズマを作っていました。
もう、大学のWorkshopの職員たちからは目を付けられるわ、マイクロ波が漏れていないか測定器で測定しなければならないわ、役所に申請書類を出すやらで大変な思いをしました。一応、2.45GHzの波長は12.2cmなので、その半分以下の直径の穴ならばマイクロ波は漏れにくくなります。直径3cmなら簡易的な測定器ではマイクロ波の漏れは検出できませんでした。
プラズマが必要な方はマッケンジー研究所までご連絡を
そんなこんなでガスのプラズマ分解やプラズマによる高温、オゾンの発生、プラズマCVDによる成膜などなど、DBDやマイクロ波プラズマを使った簡易的な実験は色々と工夫して出来ます。プラズマを使って実験してみたいが本格的な装置を導入する前に事前にちょっと試したい、などとお考えの事業者様は是非とも連絡フォームからマッケンジー研究所までご連絡ください!
DBDプラズマも自作できます。ご興味のある方は、以下の記事をご覧ください。