今日は電気炉を真空下で使用したい、との要望で真空下で電気炉を使ってみました。
最初は電気炉の内部を真空引きするイメージを持っていましたが、無理でしょ、とこのアイデアは一瞬でボツになりました。次に電気炉の内部に試験管みたいなガラスチューブなどを入れて加熱してはどうであろうか、ということも考えましたが、そもそも電気炉内部で電流測定がしたい、ということなのでガラスチューブを使うのもかなりハードルが高くなります。なぜならば、真空下のチューブ内に電線を入れ、その電線をガラスを通して外に出さなければならないからです。
もちろん、やろうと思えばできますが、封じ切りやガラス用のFeed throughを使用しなければならずに大変です。しかも600℃まで上げたい、とのことですのでこれはもう電気炉自体を真空下に置くしかない、となり小型電気炉が入る大きなデシケーターを買いました。

600℃ならデシケーターが溶けるかな?と思いましたが、真空中なので赤外線放射が主な熱源になりますので、それほど心配することもないと思います。また、デシケーターの横に穴があったので、電気炉のコンセント及び電線、熱電対もそこから通してオーストラリアでは結構使われているブルタックで隙間を塞いでリークを小さくしました。ブルタックは粘土みたいなヤツでポスター何かを壁にくっつけるために使用しますが、私の場合はリーク個所にぽちっと取り付けたりしていました。まあ、多少は効きます。

そしてデシケーターをポンプに繋いでオンすると、大きなリークもなく何とか真空に引くことが出来ました。ただ、真空度がそれほど下がらなかったので少々不満なのですが、まあ、それほど高い真空度は必要ないとのことでしたので、これでOKでしょうか。
その後、電気炉の電源を入れるとデシケーターの壁も溶けずに無事600℃まで上げることができ、電流測定も完了しました。

真空に引く、加熱する、どちらも単体なら割と簡単なんですが、両者を一緒に、となると途端に難易度が上がってしまうんですね。さらにガスを流して表面処理をしたい、などもうひと手間加わるとさらに難しくなります。まあ、お客様がやりたいと言われると出来る限り協力しています。
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